これからお金について考えていくのですが、今回は一度お金の事から完全に離れて、最初にとても大事なお話をしたいと思います。すべての事に通じるお話となります。
書籍「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)※の中で紹介されている実験を一つご紹介します。
ぜひ一度挑戦してみてください。
あなたは愛する人の葬儀に出席しました。そこには悲しみのなか別れを告げに来た人々がいます。
あなたは進んでいくと、そこにはあなたの写真が飾っています。
そうです。
これからあなたの葬儀が執り行われるのです。
ここで課題です。
別れを告げに来てくれた家族、親戚、仕事の仲間にあなたは何と言ってもらいたいですか。
「自分のどのような所に触れて貰いたいでしょうか、またどのような貢献や働きぶりについて覚えていてもらいたいでしょうか。」
この時に、人々から言われたい事が、まさに自分の価値観であったり、あなたの進むべき方向を反映しています。
この課題を想像することが難しければ、何歳の時にどのような自分になっていたいかと言い換えてもいいです。
またこの例では「人からどう思われたいか」という気持ちを用いた一つの方法ではありますが、「人からどう思われるではなく、自分はこうなりたいのだ」という事でもよいかと思います。
いずれにせよ、自分が何者であるのかという価値観や人生の目的地を明らかにしていくのです。
なぜ目的地を明らかにする必要があるのでしょうか。
それは、目的地が定まることによって、20年後、10年後、3年後、そして今の自分のすべきことが見えてくるからです。
分かりやすく逆から考えてみると、目的地なく何かを始めるという事は、行先が決まっていないけど、旅に出発する事と同じです。
それは、何を準備して、どこに向かって進めばいいのか分からない状態であり、たまたま楽しい旅行になるかもしれませんが、自分の期待していた結果とは異なる可能性は高くなります。
自分で目的地を定めると、それは今いるところからすごく遠い所かもしれませんが、進むべき方向は明らかになります。この先回り道や途中で立ち止まることもありますが、目的地に向かって一歩ずつでも進んでいくことができます。
具体的には出世したいとか、経営者、野球のプロ選手、ピアニストになりたいというゴールがあって、初めてその日を夢見て今日という日を一生懸命に頑張ろうという気持ちをもってスタートすることができます。
また家族とこのような関係を気づきたい、周りの人からこのように思われたいという目的地を設定したのであれば、一歩ずつそれらの人と関係を作っていこうという気持ちで今日一日を始める事ができたり、またこれまでの行いを改めることに気づくことができます。
必ずしもプロにならなければいけないとか、仲悪い人との関係を完全に修復しなければいけないという事ではありません。あくまで自分の進むべき方向を定めるという事が大事なのです。
目的地は一度決めるとそこで終わりではなく、その後も目的地を見失わないようにする必要があります。
目的地に進んでいたはずが、日々の忙しさに忙殺されて、行先を見失ったり、なぜか忘れてしまう事があります。そのせいで、自分の思っていた所に到達してしまうかもしれません。そこで大きく進路変更すればいいだけですので全く問題ありませんが、やはり目的地を見失ってしまった時間が長い分だけ、より時間を無駄にしてしまいます。
当然お金がないと達成できない目標や夢もあると思いますが、注意が必要です。
ここまで見てきたように目的地について考えることなく、「お金について考えましょう」と言われると「将来1000万円稼ぎたい」とか「お金持ちになって豪邸に住みたい」という事を先に考えがちです。
それも否定はしませんが、仮にお金が人生の中心となってしまうと、お金に振り回されてしまったり、そのせいで往々にして身を滅ぼしてしまうという事がありますので、やはり人生の目標をしっかり設定したうえで、お金のことについて考えて行く必要があると考えています。
そしてもう一つ大切な事ですが、その目的地を決めるのはあなた自身であるという事です。
自分が主体的に決めて、その決定にすべての責任を持つことが大切です。
たとえばあなたが他人に依存した状態ですと、「あの人が言ったから、自分はできない」と人のせいにしたり、「このように言われたから止めた」と人のせいにしてしまったりして、自分でコントロールができなくなり、目的地に向かって効率的に進むことができなくなってしまうばかりでなく、最終的には目的地を見失うこともあります。
始めるタイミングについては年齢は関係ありません。やろうと思った時が始まりです。
また目的地を見失いそうになった時にはここに戻ってきてください。
自分自身もしっかりと言うだけでなく、しっかりと実践して行きたいと思っています。
準備ができたので、具体的なお金の話に進んでいきたいと思います。
(このページは定期的に更新していきたいと思っています。)
※「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)
今回ご紹介したのは7つの習慣の中の2番目の習慣です
Begin with the End in Mind (bɪˈɡɪn wɪð ðə ɛnd ɪn maɪnd/ ビギン ウィズ ザ エンド イン マインド)
”目的をもって始める”