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商品の価格はどのようにして決まる

にっしー
今日は物の値段はどのように決まるのか考えてみます

どういう事?
トミー

よくわかんなーい
ぽんず

私たちは、普段の生活の中で、様々な商品を買ったり、サービスを受けたりしていますが、その時に必要なのが「お金」です。

その「お金」を通して、私たちは経済活動に参加していますが、今回はその商品やサービスの価格がどのように決まるのか考えてみたいと思います。

①商品の価格がどのように決まるのか

商品のサービスの価格は、需要量じゅようりょう供給量きょうきゅうりょうの関係で決まります。

需要量というのは、「買い手が商品を買いたい」と思い、かつ買う事ができる量の事です。

一方で供給量は、「売り手が商品を売りたい」と思い、かつ売ることが出来る量の事です。

「商品を買いたい」という需要量が、「商品を売りたい」という供給量よりも多い場合は、価格が上がります。反対に需要量が供給量よりも少なければ価格が下がります。

つまり、ある物について買いたい人が沢山いるけど、一方でその物が市場に出回っていない時に価格が上がり、逆にお店にあるものがたくさん売っているけど、買う人が誰もいないという状況の場合に価格は徐々に下がっていくという事です。

この関係を図にすると以下のようになります。

青が需要量を表していて、需要曲線と呼ばれます。オレンジは供給量を表していて、供給曲線と呼ばれます。

この需要曲線と供給曲線が交わった場所を「均衡価格きんこうかかく」といいます。

釣り合いのとれた「バランスの良い価格」を意味していますが、この均衡価格が「商品の価格」となります。

これが商品の価格が決まる基本的な考え方で、また経済学の出発点となります。

しかし、実社会においては、需要曲線と供給曲線はこのようなきれいな図になりません。

それを把握するためには、この需要曲線と供給曲線の図を作るうえでの前提をしっかりと押さえる事が大切です。

②需要曲線と供給曲線の前提について

①で見た需要曲線と供給曲線が成り立つための前提で2つ重要な事があります。

1.売る人と買う人が多数いる
2.販売されている物はまったくの同じもの

という事です。

一つ目の前提の「売る人と買う人が多数いる」についてですが、例えば、小麦について考えると、小麦を売る人と、小麦を買う消費者はたくさんいます。

これが何を意味するのかというと小麦を売る人も、買う人もたくさんいるがゆえに、自分の力で小麦の市場価格を変えることはできません。言い換えると、売り手も買い手もその市場での価格を受け入れる以外にないという事を意味しています。

二つ目の「販売されている物はまったくの同じもの」については、需要曲線と供給曲線が成り立つためには、対象を同じもので検証する必要があるという事です。

市場にA社のカレールーとB社のカレールーがある時、複数の需要曲線と供給曲線が作られてしまうので、正しく状況を把握することが困難になります。

1と2を満たした市場の事を「完全競争市場」といい、完全競争市場が成り立つことが、①で見た需要曲線と供給曲線の関係が成り立つための前提となっています。

繰り返しになりますが、実社会では、「完全競争市場」は基本的に成り立ちませんが、実社会を把握するためには、実情じつじょうに合わせてこの前提を変化させていくことが必要になります。

③独占企業について

一方で、買い手はたくさんいるが、売り手が一つしか存在せず、その売り手が価格を決めている市場がある時、その売り手の事を「独占企業」といいます。

独占禁止法どくせんきんしほうという法律があり、一部の企業が価格を決定することで、価格を釣り上げて、消費者に不利益をもたらすという事が生じると、消費者がより安い商品やより良い商品を選ぶことができないということから、基本的に市場を独占することを禁止されています。

そうすると「独占企業」は淘汰とうたされることから、基本は存在しないという事になるのですが、実際には売り手が市場よりかなり高い価格を付け、その価格が受け入れられている会社があります。

④市場より高い価格を付けるとは

これらの会社の例をあげると、例えば「フェラーリ」や「ローレックス」といった、いわゆるハイブランドの会社です。

当然、これらの会社の商品が他社の商品と比較して優れていたり、機能美が高いというのは言うまでもありません。他社が追随できない唯一無二ゆいいつむにの存在感を持っています。

ですが、それだけが商品の価格が高い理由ではありません。

もう一つの価格が高い理由は、これらの商品の供給量が少ないという事です。

先ほど需要と供給の所で見たように、需要量>供給量の場合は、価格が上がるということを見ましたが、まさにこの例が当てはまります。

ブランドとしての完成度が高く、人気があり、沢山の購入希望者はいますが、その買いたい人の分だけ売らない(売っていない)ので、希少性きしょうせいが高くなり、最終的には商品の価値が上がります。

(フェラーリの場合を例にすると、「欲しがる客の数よりも1台少なく作る」という哲学を持っていたりします。)

希少性が高いがゆえに、中古市場でも人気で、価格が高い状態で維持されています。

このようにして、「フェラーリ」=「高級スポーツカー」というブランドイメージを持ってもらう事に成功し、多くの競合他社がいるなか、価格が高い事が受け入れられるという独自の市場を築いています。

このように多くの競合企業が存在するという意味では、完全競争市場に近いのですが、独占企業(市場)ではない市場の事を、独占的競争市場と呼びます。

ブランドを築く

このようなブランドは、数年では築くことはできませんし、購入者が希望する量より少ない量を作るようにすれば、希少性があがるという程簡単ではありません。

ブランドというものは、長い時間をかけて、フェラーリであれば「高級スポーツカー」ローレックスであれば「高級腕時計」として、他の会社の車や時計には代替ができない商品であるということを長い年月をかけてお客さんに認知してもうらことに成功した企業努力の賜物たまものです。

沢山の競合がいるなかで、唯一のポジションをとることで、売り手主導で価格を決め、その価格で商品を欲しいという買い手が多数存在するという市場を自ら作った結果であり、これはブランドを持つ会社が望んでいる市場ということになります。

まとめ

完全競争市場、独占的競争市場のどちらが正しいというわけでなく、どちらも経済には必要な市場ですが、商品の価格が決まる過程を一つ見ても、その商品がどちらの市場に位置するかによって大きく異なりますというお話でした。

にっしー
あなたが何か商品を売ることを考えた時に、どのような市場で売りたいですか?

参考図書

タイトル 内容
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